【離婚弁護士が解説】夫(妻)の性的不能・性的不満は離婚原因になる?

【離婚弁護士が解説】夫(妻)の性的不能・性的不満は離婚原因になる?解決のポイント

皆さん、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の離婚弁護士、野条健人です。

「夫(妻)が性的不能で、夫婦関係が破綻してしまった…」 「長年、性交渉の不満を抱えているけど、こんな理由で離婚できるのかな?」 「デリケートな問題だから、誰にも相談できなくて一人で悩んでいる…」

もしあなたが今、このようなお悩みを抱えているなら、このブログ記事はきっとお役に立てるはずです。

夫婦間の性的関係は、円満な婚姻生活を維持するための重要な要素の一つです。性的不能や、性交渉の拒否、あるいは性的な不満が長期にわたって解消されない状態は、夫婦間の愛情や信頼関係に大きな影響を与え、精神的な苦痛をもたらすことがあります。

これは、民法が定める離婚原因の一つである**「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」**に該当する可能性があり、裁判で離婚が認められるケースも存在します。

私はこれまで、多くの離婚案件に携わり、特に夫婦間の性的問題が絡むデリケートな離婚問題も数多く解決に導いてきました。このブログ記事では、性的不能や性的不満が離婚原因となる条件、必要な証拠、そしてあなたが納得のいく形で問題を解決するためのポイントを、専門家として分かりやすく解説していきます。

目次

  1. 【離婚弁護士が解説】夫(妻)の性的不能・性的不満は離婚原因になる?解決のポイント
  2. 1.性的不能・性的不満は離婚原因になる?法的根拠と裁判所の判断
  3. 2.性的不能・性的不満を理由に離婚するための「証拠資料」
  4. 3.性的不能・性的不満を理由に離婚を進める際のポイント
  5. 5.性的不能・性的不満が原因の離婚は弁護士にご相談を!

1.性的不能・性的不満は離婚原因になる?法的根拠と裁判所の判断

夫婦間の性交渉は、婚姻生活において重要な役割を果たすものであり、正当な理由なく性交渉を拒否し続けたり、性的不能の状態が継続したりすることは、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法第770条1項5号)に該当する可能性があります。

ただし、裁判所が離婚を認めるかどうかは、単に性交渉がないという事実だけでなく、以下の点が総合的に考慮されます。

  • 性的不能の「不治」: 配偶者が性的不能である場合、それが治療によっても回復する見込みがない「不治」の状態であることが重要視されます。一時的なものや、治療で改善する可能性があれば、すぐに離婚原因とはなりません。
  • 性的関係における「重要な約束の破棄」: 婚姻前から性的不能であったにもかかわらず、その事実を隠して結婚した、あるいは結婚前に性の問題を話し合い、改善を約束していたにもかかわらず、その約束を破棄したような場合は、悪質な要素として判断されることがあります。
  • 夫婦関係破綻の有無: 性的問題が原因で、夫婦間の愛情や信頼関係が完全に失われ、夫婦としての共同生活がもはや維持できない状態にあると客観的に判断されることが必要です。単に性交渉がないだけでなく、会話がない、家庭内別居状態であるなど、関係全体の破綻が問われます。
  • 改善努力の有無: 性交渉の改善に向けて、夫婦で話し合いを試みたか、医療機関やカウンセリングへの受診を提案したかなど、改善努力があったにもかかわらず、状況が改善しなかったかどうかも考慮されます。
  • 婚姻期間の長さ: 婚姻期間が長いほど、性的不満が長期間にわたる精神的苦痛を与えてきたと評価されやすくなります。

【裁判例から見る判断基準】 裁判所は、性的不能や性交渉がないこと自体を直ちに離婚原因とはせず、「婚姻共同生活を継続し難い重大な事由であるか否かは、当事者の意向も踏まえつつ、当該事情が婚姻共同生活を営む上で支障をきたし、婚姻共同生活を破綻に至らせる程度の不和を形成したか、あるいは婚姻共同生活を営むことへの期待を不可能にしたかという観点から判断すべきである」と示しています。

これは、性交渉の有無だけでなく、それが夫婦関係全体にどのような影響を与え、修復不可能な破綻に繋がったかという「重大性」が問われることを意味します。

2.性的不能・性的不満を理由に離婚するための「証拠資料」

性的問題は非常にデリケートなため、客観的な証拠を集めるのが難しい場合があります。しかし、離婚を有利に進めるためには、以下のものをできるだけ多く集めることが有効です。

  • 夫婦間の話し合いの記録:
    • 性交渉について話し合ったこと、相手が拒否したこと、改善を求めたことなどを記録したLINEやメールのやり取り、SNSのメッセージ
    • 話し合いの際の録音データ(性交渉がないことや相手の拒否を示す発言など)。
    • 性的問題について悩んでいたこと、改善努力をしたことを記録した日記やメモ
  • 医療機関の診断書・受診記録:
    • 性交渉ができない理由が病気や身体的なものである場合、その診断書や治療履歴。
    • 性的問題によってうつ病などの精神的な苦痛を負った場合、精神科医の診断書や通院記録。
    • 夫婦いずれか、または双方が、性の専門医や泌尿器科を受診した記録。
  • カウンセリングの記録:
    • 夫婦カウンセリングや個人カウンセリングを受けた記録。性的な問題が原因で関係が悪化し、改善努力を行った事実を示せます。
  • 第三者の証言:
    • 信頼できる友人や親族に、性的問題による夫婦関係の悩みや、相手の拒否について相談していた事実があれば、証言を依頼できる可能性もあります。ただし、非常にデリケートな内容のため、慎重な検討が必要です。
  • 別居の事実:
    • 性的な問題が原因で夫婦関係が破綻し、別居に至った事実と、その期間。

3.性的不能・性的不満を理由に離婚を進める際のポイント

性的問題が原因での離婚は、デリケートな問題であり、かつ裁判所の判断も慎重に行われるため、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

ポイント1:性交渉の拒否・不能が「不治」かつ「悪質」であることの主張

相手が正当な理由なく性交渉を拒否し続けていること、あるいは性的不能が治療しても回復の見込みがないことを主張します。特に、相手が治療に非協力的であるなど、「悪質性」を裏付ける事情があれば、より離婚が認められやすくなります。

ポイント2:性的問題が「婚姻関係破綻」に繋がったことの立証

単に性交渉がないだけでなく、それが原因で夫婦間の愛情や信頼関係が完全に失われ、夫婦としての共同生活が維持できない状態にあることを具体的に主張・立証する必要があります。例えば、性交渉がないことで会話が激減した、家庭内別居状態になっている、精神的に大きな苦痛を受けている、といった状況を具体的に示します。

ポイント3:改善努力の記録と、拒否された事実の明確化

性交渉の改善に向けて、話し合いを試みたこと、医療機関やカウンセリングへの受診を提案したこと、それでも相手が応じなかったことなどを具体的に記録しておくことが重要です。これは、あなたが関係修復に努めたことを示す証拠となります。

ポイント4:慰謝料請求も検討する

性的不能や性交渉の拒否が原因で精神的な苦痛を負い、婚姻関係が破綻に至った場合、相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります。慰謝料額は、性的問題の期間、精神的苦痛の程度、夫婦関係への影響、相手の資力などによって異なります。

5.性的不能・性的不満が原因の離婚は弁護士にご相談を!

夫婦間の性的問題は、非常にデリケートであり、感情的にも話し合いが難しいテーマです。また、裁判所で離婚を認めてもらうための立証も、他の離婚原因に比べて専門的な知識とノウハウが求められます。

  • デリケートな問題の扱い: 感情的になりがちな問題を冷静に、かつ丁寧に扱います。
  • 証拠収集の難しさ: 性的な問題は、客観的な証拠を集めるのが難しい場合があります。弁護士は、どのような証拠が有効かアドバイスし、収集をサポートします。
  • 裁判所の判断基準の理解: 裁判所が性的問題をどのように評価し、離婚原因と判断するか、その複雑な基準を理解し、適切な主張を行います。
  • 精神的負担の軽減: 相手方との直接交渉から解放され、あなたは心の平穏を取り戻し、次のステップへと進む準備に集中できます。

これらの問題を個人で解決しようとすると、多大な時間と労力、そして精神的な消耗を伴い、不利な条件で合意してしまうリスクも高まります。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所では、性的不能・性的不満を含む夫婦間の性的問題が原因の離婚に関する初回のご相談を無料で承っております。

あなたの状況を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案させていただきます。私、野条健人が、あなたが安心して未来へ進めるよう、全力でサポートいたします。

どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽にご連絡ください。


弁護士法人かがりび綜合法律事務所 離婚弁護士 野条健人

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