離婚問題の核心|「精神病」や「借金問題」はどこまでが離婚原因?

離婚問題の核心|「精神病」や「借金問題」はどこまでが離婚原因? 裁判例から学ぶ離婚請求の判断基準を徹底解説

こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人です。

離婚を考えている方の中には、「配偶者が精神病を患っていて、もう夫婦関係を続けられない」「夫婦の一方の借金が原因で生活が成り立たない」といった、非常にデリケートで深刻な問題を抱えている方が多くいらっしゃいます。

これらの問題は、法律上の離婚原因となる可能性がありますが、裁判所の判断は非常に慎重かつ厳格です。

今回は、これらの離婚問題について、裁判実務の考え方を基に、「精神病」と「借金問題」が離婚原因となるケース、そして**「強制執行」などの法的手段の重要性**について、具体的な裁判例を交えながら詳しく解説します。このブログ記事が、あなたの離婚問題解決への一助となれば幸いです。

1.改めて確認|日本の離婚原因と「婚姻を継続し難い重大な事由」

日本の民法第770条1項は、裁判上の離婚原因を5つ定めています。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

この中の「4号」と「5号」が、今回取り上げる「精神病」や「借金問題」が離婚原因となる根拠となります。

2.配偶者の「精神病」を理由にした離婚|裁判実務の厳しい判断

民法4号の精神病を理由とする離婚は、裁判所の判断が非常に厳しいのが実情です。ご提供いただいた資料にも、精神病に関するいくつかの裁判例が紹介されています。

裁判例に見る精神病を理由とする離婚の判断基準

  • 【横浜家裁川崎支部平成29年2月22日判決】 夫が何かの拍子にヒステリーを起こし、何の説明もなく夫を責め立てることを繰り返したという事案で、妻からの離婚請求を認めました。これは、単なる精神病ではなく、妻の精神症状が、夫の生活に支障をきたし、婚姻関係を破綻させるほどの深刻な影響を与えたと判断されたためと考えられます。
  • 【名古屋高裁平成20年4月8日】 夫婦が3年余りの別居同居を繰り返した後、夫から妻への離婚請求がなされた事案です。判決は、「今後は妻のうつ病が治癒し、あるいは妻の病状について夫の理解が深まれば、婚姻関係が改善することも期待できる」として、離婚請求を認めませんでした。
  • 【東京地裁平成15年12月26日判決】不治の精神病とはいえない」軽度の精神疾患を理由とする離婚請求が認められなかった事例です。判決は、病気の配偶者の療養や生活について、離婚後も具体的な方策を講じる必要があると示唆しています。

これらの裁判例から、裁判所が精神病を理由とする離婚を判断する際に重視するポイントは以下の通りです。

  • 病状の重篤性と回復の見込み: 病状が「強度」であり、現代の医療水準をもってしても回復の見込みがないと判断できるか。単に病気であるだけでなく、それが婚姻生活に深刻な影響を与えていることが重要です。
  • 生活保障の確保: 離婚後、病気の配偶者が適切な医療を受けられるか、経済的に自立できるかなど、具体的な生活保障の計画が立っているか。これは、病気の配偶者を置き去りにするような離婚を安易に認めないという裁判所の姿勢の表れです。
  • 療養や監護の尽力: 離婚を請求する側が、婚姻期間中に病気の配偶者に対し、療養や監護にどれだけ尽力してきたか

3.夫婦の借金問題はどこまでが離婚原因となるのか?

「仙台地裁昭和60年12月19日判決」は、借金問題が離婚原因となるケースの判断基準を示しています。

【事案の概要】 妻と夫の関係は、借金の問題以外には婚姻生活を継続していくことが可能であった。妻はパートタイムで働き、その収入を家計に入れ、夫の収入が少ない部分を補っていたが、夫は自身の収入では十分な生活費を負担できず、妻の努力も報われなかった。

【判旨】 判決は、夫婦間でこのような借金に起因するような行動が出ること自体が、夫婦間の信頼関係を大きく損なうものであり、「婚姻を継続し難い重大な事由に該当する」と判断しました。

この判例が示すように、借金問題が離婚原因となるのは、単に借金があるだけでなく、それが夫婦間の信頼関係を根底から揺るがし、婚姻生活の継続を困難にしているかどうかが、重要な判断基準となります。行

強制執行は、法的な知識がなければ適切に進めることが難しい手続きです。弁護士は、債務名義の取得から、相手の財産調査、強制執行手続きの申立てまで、一貫してサポートします。

4.離婚問題を弁護士に相談すべき理由

精神病が絡む離婚、借金問題、そして離婚後の金銭トラブルへの対処など、離婚問題は非常に複雑で、専門的な知識と豊富な経験が求められます。

ご自身だけでこれらの問題を解決しようとすると、法的な見落としや、思わぬ不利益を被るリスクが高まります。弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 的確な法的判断と戦略立案: あなたの状況を詳細にヒアリングし、精神病や借金問題が離婚原因となるか、強制執行の可能性、そしてトラブル激化を避けるための戦略を明確にします。
  • 証拠収集のサポート: 精神病の事実を立証する資料(診断書など)、借金の事実を立証する資料(借用書、通帳履歴など)の収集をサポートします。
  • 交渉のプロによる代理: 感情的になりがちな相手方との直接交渉を弁護士が代行することで、冷静かつ円滑な話し合いを進め、あなたの権利を最大限に守ります。
  • 離婚後のトラブルへの対応: 公正証書の作成から、養育費や財産分与の不払いに対する強制執行手続きまで、離婚後のトラブルにも徹底して対応します。
  • 精神的負担の軽減: 複雑でストレスの多い離婚手続きを専門家に任せることで、あなたの精神的な負担を大きく軽減し、新たな人生の準備に集中できます。

まとめ

精神病や借金問題は、その内容や程度によっては、離婚原因となり得ます。重要なのは、これらの問題が夫婦間の信頼関係を破壊し、婚姻生活を継続することが困難になっているかどうかです。また、離婚後の金銭トラブルを防ぐためには、公正証書の作成や、いざという時の強制執行手続きへの備えが非常に重要です。

私たち弁護士法人かがりび綜合法律事務所は、これまで数多くの離婚問題を手掛けてまいりました。お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、法的な見通しを明確にした上で、お客様にとって最善の解決策をご提案いたします。

「精神病の配偶者とどう向き合えばいいかわからない」 「借金が原因で離婚したいけど、どうしたらいいかわからない」 「養育費の支払いが滞ったらどうしよう」

どのようなお悩みでも構いません。まずは一度、専門家にご相談ください。初回相談は無料ですので、費用を気にせず、安心してご連絡いただけます。

あなたの未来を、私たちかがりびの光で照らすお手伝いをさせてください。


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野条 健人 代表弁護士
大阪を拠点に、男女問題・離婚・DV・モラハラなど、デリケートな問題を抱える方々の相談に親身に対応しています。ただ法律的な解決を目指すだけでなく、依頼者様の気持ちに寄り添い、心の負担を少しでも軽くすることを大切にしています。 「相談してよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりのお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案します。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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