【弁護士解説】親権・面会交流で最重要視される「子どもの年齢別ニーズ」とは?

【弁護士解説】親権・面会交流で最重要視される「子どもの年齢別ニーズ」とは?

こんにちは!

大阪市西区本町の弁護士法人かがりび綜合法律事務所 弁護士の野条健人です。

離婚や別居の際、親権や面会交流の可否・方法を決める際の最重要基準は、繰り返しになりますが「子の福祉(子どもの最善の利益)」**です。

しかし、「子の福祉」とは、単に「愛情を注ぐこと」だけではありません。裁判所は、子どもの年齢・成長段階に応じて、その時々で満たされるべき具体的な「ニーズ(要求)」が何かを客観的に判断し、それをより満たせる親を「監護親」として適切だと判断します。

今回は、特に小学校の時期に焦点を当て、裁判所が着目する「子どものニーズ」を具体的に解説します。


最優先されるニーズ:常に「安全(安心)」の確保

どの年代の子どもにおいても、「安全のニーズ」は最優先されます。

具体的には、子どもの生活や心身の安全を著しく損なう行為(DV、虐待、モラハラなど)から子どもが保護されることです。これに加えて、病気になった際の医療的ケア、安全・安心が得られる環境、そして安全な親との強い絆といった「回復支援」も含まれます。

1. 児童期前期:小学校低学年(1〜3年生)の子どものニーズ

この時期の子どもは、まだ生活の多くを大人に依存しており、理解力も未熟なため、不安を適切に表現する力も十分ではありません。

【親が満たすべき客観的ニーズ】

  • 健康・身体的発達: 年齢相応の身体発達、けがや病気への適切な医療的対応、規則正しい生活リズムの維持。
  • 知的発達・教育: 学校に休まず通えること、学年相応の学習内容を身に付けられること。
  • 情緒・行動の発達: 情緒が安定し、安心できること、体験したことを感情を交えて他者に話せること。
  • 環境変化: 人間関係の変化をできるだけ小さくし、生活リズムが予測可能であること。

【親の養育行動で留意すべき点】

  • 温かみのある穏やかで一貫した態度で接し、不快や不安な時に安心させること。
  • 両親の問題と自分の問題を分けて考えられず、自分のせいと思い込んだり、「忠誠葛藤」を抱いたりしやすいため、親の紛争に巻き込まないよう細心の注意を払うこと。

2. 児童期後期:小学校高学年(4〜6年生)の子どものニーズ

この時期になると、現実認識力が向上し、身の回りの自立も進みます。友達との関係も深まります。

【親が満たすべき客観的ニーズ】

  • 健康・身体的発達: 第二次性徴に伴う変化への適切な対応、基本的な生活パターンの維持。
  • 知的発達・教育: 学年相応の学習内容を身に付けられること、自分のやりたいこと(習い事、運動など)に挑戦する機会と支援。
  • 情緒・行動の発達: 他者の権利を理解できること、自己主張できること。
  • 経済・物的状況: 子の生活に必要な物がそろっていること、進学等に向けて経済的不安がないこと。

【親の養育行動で留意すべき点】

  • 子の相談に耳を傾け対応すること、望ましくない行動をした時の適切なしつけを行うこと。
  • 引き続き紛争に巻き込まれやすいため、忠誠葛藤を抱いたり、バランスを欠いたりしないよう配慮すること。
  • 安全が確保された状態で、別居親と交流が保たれること。

弁護士の役割:子のニーズに基づいた「最善の解決」を立証する

面会交流や親権の決定において、これらの多岐にわたる子どものニーズが、離婚後のどちらの環境でより満たされるかが判断の鍵となります。

特に、夫婦間の激しい紛争は、子どもに「自分のせいだ」という思い込みや「忠誠葛藤」を抱かせてしまう最大の原因となり、子どもの精神的安定を著しく害します。

私たち弁護士は、単に法律を適用するだけでなく、この「子のニーズの観点表」に基づき、

  • 相手方の監護環境が、いかに子どもの安全や情緒的安定を害するか(または満たせないか)
  • ご依頼者様の監護環境こそが、お子様にとって本当に必要なニーズを満たせる最善の環境であるか

を、裁判所に具体的な証拠と主張で立証します。

大阪市西区本町で離婚問題にお悩みの方は、お子様の未来のために、ぜひ一度ご相談ください。あなたの希望と、お子様の利益を両立させるための最善策を共に見つけましょう。

#子の福祉 #面会交流 #親権 #離婚相談 #子どものニーズ #弁護士 #大阪 #大阪市 #本町 #野条健人 #かがりび綜合法律事務所 #夫婦問題 #養育行動 #児童心理 #離婚後の生活

author avatar
野条 健人 代表弁護士
大阪を拠点に、男女問題・離婚・DV・モラハラなど、デリケートな問題を抱える方々の相談に親身に対応しています。ただ法律的な解決を目指すだけでなく、依頼者様の気持ちに寄り添い、心の負担を少しでも軽くすることを大切にしています。 「相談してよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりのお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案します。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

keyboard_arrow_up

0664793766 問い合わせバナー 無料法律相談について