こんにちは!かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!
本日は、婚姻関係破綻の抗弁について思うところについて、つらつらと書いてみます。ご参考程度まで^_^
婚姻関係破綻の抗弁とは、平たくいえば不貞慰謝料請求をした際に、相手方からそもそも夫婦の婚姻関係が破綻していたのどあるから、不貞をしたとしても法益を侵害していない、あるいは極めて軽微であるから慰謝料を支払う義務はないという主張です。
確かに、理屈はわかりますが、果たして、この主張は紛争を解決するに際しては適切な場面で主張しなければ、紛争が拡大するということです。
考えてみればわかるのですが、不貞慰謝料を請求したときに、相手方から、元々あなたたち仲良くなかったんだから慰謝料支払う義務がないよ、って言われたらどういう気持ちになるか、つまり、感情的にはなり、さらに反論していく方針になり、収拾がつかなくなってきます!この抗弁はちゃんとしたときに、使わないと紛争はおわらなくなります。
さらに、夫婦のいずれが婚姻破綻について専らは主として」有責かの認定は、判断が分かれることもあります。判例は、婚姻破綻の時点の判断に-は、客観的に破綻の事実が認定しやすい別居の時準とし、「もっぱら又は主として」有責か否かのついては、他の異性との性関係を重視していますが、いずれにしても、夫婦の一方の離婚請求配偶者の離婚請求として拒否されるか否かの問題姻破綻の時点や当事者の有責性の軽重の判断を裁判所の裁量に大きく左右される分野です。
有責行為と婚姻破綻との間の因果関係については、夫婦の日常生活の細かた行為の積み重ねによって因果関係を立証しなけばならなくなります。
不貞慰謝料請求における「婚姻関係破綻の抗弁」について、その問題点と注意点について述べます。
このページの目次
婚姻関係破綻の抗弁とは
婚姻関係破綻の抗弁とは、不貞行為(浮気・不倫)をした側が、
- 「不貞行為の時点ですでに夫婦関係が破綻していた」
- 「だから、不貞行為によって配偶者の権利を侵害していない(または侵害の程度は軽い)」
と主張し、慰謝料の支払いを免れようとするものです。
婚姻関係破綻の抗弁の問題点
野条先生は、この抗弁には以下のような問題点があると指摘しています。
- 感情的な対立を招きやすい: 不貞行為をされた側からすれば、「夫婦関係が破綻していた」という主張は、自身の気持ちを否定されたように感じ、感情的な対立を招きやすい。
- 紛争を長期化させる: 感情的な対立は、当事者間の話し合いを困難にし、紛争を長期化させる原因となる。
- 立証が難しい: 「夫婦関係が破綻していた」ことを客観的に立証するのは難しい。
婚姻関係破綻の抗弁を主張する際の注意点
婚姻関係破綻の抗弁は、安易に主張すると紛争を拡大させる可能性があります。
主張する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 客観的な証拠の収集: 夫婦関係が破綻していたことを示す客観的な証拠(別居期間、夫婦関係に関する第三者の証言など)を十分に収集する。
- 弁護士との相談: 弁護士に相談し、適切な主張の仕方や交渉戦略についてアドバイスを受ける。
不貞慰謝料請求について
不貞行為は、民法上の不法行為にあたり、被害者は相手方に対して慰謝料を請求することができます。
慰謝料の金額は、
- 不貞行為の期間
- 不貞行為の回数
- 不貞行為によって被った精神的苦痛の程度
などによって異なります。
弁護士への相談をおすすめ
不貞慰謝料請求は、法的な知識や交渉力が必要となるため、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士は、あなたの代理人として、
- 相手方との交渉
- 慰謝料の請求
- 訴訟手続き
などを行います。
まとめ
婚姻関係破綻の抗弁は、慎重に扱うべき問題です。
不貞慰謝料請求でお困りの方は、まずは弁護士にご相談ください。