こんにちは!
かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。
本日は貞操権侵害による慰謝料請求についてお話いたします。
貞操権侵害とは、平たく言えば、貞操権は自分の意志で性的な関係を持てるかどうか決められる決定権を意に沿わない形で使うことを余儀なくされた場合です。例えば、交際していた男性が未婚であると言っていたにも関わらず、妻子がいたことが発覚した場合が挙げられます。この場合には、男性の違法性の程度によっては慰謝料を請求できることになります。
ここで、最高裁判例を見ておきましょう!
最高裁判例は、次のように述べています。
「配偶者ある者の婚姻外性関係は,一夫一婦制という善良の風俗に反する行 為であり,情を通じた女性は,夫の妻に対する貞操義務違反に加担する共同 不法行為責任を負う。したがって,男性に妻があることを知りながら情交関 係を結んだ女性が,そのために損害を被ったとしても,その復旧としての慰 謝料等を請求することは,一般的には,民法708条に示された法の精神に 反して許されないと考えられる。
もっとも,女性が,男性に妻のあることを知りながら情交関係を結んだと しても,情交の動機が主として男性側の詐言を信じたことに原因している場 合で,情交関係を結んだ動機,詐言の内容程度及びその内容についての女性 の認識等諸般の事情を斟酌し,女性側における動機に内在する不法の程度に 比し,男性側における違法性が著しく大きいものと評価できるときには,貞操等の侵害を理由とする女性の男性に対する慰謝料請求は許される(最二判 昭和44年9月26日・民集23巻9号1727頁)。」
違法性の程度が高ければ慰謝料は高くなる傾向になりますが、例えば、交際期間の長短、その内容程度、詐害の状況、程度、妊娠の有無などがありますが、わかりやすく言えば客観的に裏切られたとした場合の度合い、というものが分かりやすいと思います。例えば、1ヶ月だけ交際していた男女と、10年交際し、ようやく婚約までしていた男女(途中で妊娠までしていた)と比べると客観的には分かりやすいかと思います。
ここで、貞操権侵害の慰謝料を請求する側と請求された側の二つで見ていく必要があります。
◆慰謝料を請求する側
この場合は感情面が全面的に出ざるを得なくなりますので、カウンセリングの方が重要になります。明日に向かって頑張るためにも慰謝料と共に立ち直りが必要になります。
◆慰謝料を請求された側
この場合には、慰謝料が適正な金額なのか、事実関係を明らかにする必要が出ます。場合によっては家族にばれたくないという思いでいる方もたくさんいるかと思いますので、この辺りをどうクローズさせるのか、その辺りも踏まえて交渉していく必要があります。弁護士に全て窓口対応を一任するということも良いと思います。
お困りの方はかがりび綜合法律事務所までご相談くださいますようお願いします。