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はじめに
我が国の裁判例や法体系からは別居は離婚において重要ことです。
実際に別居をされて今後どうしていったらいいか迷われている方も多いかと思います。
別居していても今後の手続や離婚に向けた解決方法で悩んでいる方も多くいらっしゃいますので、このページでは、別居しているケースについて詳しく説明し、解決方法や離婚手続きについても解説します。
別居しているケースについて
別居しているケースは、夫婦が別々の場所に住むようになった状況です。このような状況は、夫婦の関係に悪影響を与える場合があります。別居原因は、浮気や暴力、金銭問題などさまざまですが、夫婦が話し合いをしないために、関係が悪化することが多いです。
別居しているケースでは、夫婦の気持ちや状況が変わることもあります。
例えば、別居している間に復縁することもあれば、離婚を決めることもあります。別居している期間中は、夫婦が自分自身や相手の気持ちについて考える時間を持つことができます。
そもそも別居の重要性とは
我が国の法体系では、相手方が離婚に応じてくれる場合には、どのような理由であれ離婚はできますが、相手方が離婚に応じてくれない場合に、決定的な離婚理由がない場合には、別居期間が補充的な要素になります。「夫婦関係は修復不可能」といった判断がされた裁判例が過去にありました。
あまりに長い期間別居していると、それだけで「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして、離婚が認められてしまうこともあるのです。
どうしても離婚をしたくないのであれば、別居状態は早めに解消するに越したことはありません。
なお、最近の裁判例では、3年程度の別居期間であっても離婚が認められることになります。このため、別居期間は最終的には婚姻関係を破綻させていく事実になっていきます。
また、別居をする際は、生活費の確保についても忘れないようにしましょう。特に、自身に収入がない場合、生活費の確保は死活問題となりますので、相手に婚姻費用を請求し、生活費を支払ってもらうようにしたりなどです。
相手が婚姻費用を支払わない場合は、裁判所の調停手続きの1つである、「婚姻費用分担請求調停」といった手続きを利用しましょう。
たとえ別居中であったとしても、夫婦の扶養義務がなくなることはありません。
婚姻費用を支払う義務は継続して生じているため、この権利確保は必ず行うようにしましょう。
別居しているケースの解決方法
別居しているケースを解決するためには、夫婦が話し合いをすることが重要です。
話し合いをすることで、原因を明らかにし、解決策を見つけることができます。また、夫婦が話し合いをする際には、第三者を交えることも有効です。
別居している段階では疎遠になって、話合いの場を持てないことが往々にありますので、離婚問題に強い弁護士を交えて、冷静に話し合いをしていきましょう。
別居しているケースの離婚手続き
別居しているケースでは、離婚手続きは通常のケースに比べて複雑になることがあります。
夫婦が別々の場所に住むため、子供の親権や財産分与などの問題が生じることがあります。離婚手続きを円滑に進めるためには、弁護士のサポートをうけることがおすすめです。
弁護士に相談することで、離婚手続きに必要な書類や手続きについて詳しく知ることができます。また、弁護士が夫婦間の交渉や調停の手続きを代行することもできます。
まとめ
別居しているケースは、夫婦にとって非常に辛い状況ですが、弁護士の助けを借りることで、解決することができます。
離婚に至る場合でも、弁護士の助けを借りることで円滑に手続きを進めることができます。
別居している期間中は、自分自身や相手の気持ちについて考える時間を持ち、自分にとって最善の選択をすることが大切です。
お困りであればかがりび綜合法律事務所にお任せください。
よくある質問
よく離婚するためには別居期間がどのくらいの別居期間がいるのですかと聞かれます。
これはケースバイケースで、別居期間なしで離婚ができた場合や1~2年のケースもあれば長期にわたっての別居して離婚が認められたケースもあります。
まず、考えなければならないのが、離婚の仕組みになります。
離婚は相手方がいるお話になりますが、相手方が離婚に同意するということであれば、別居期間を考える必要がなくなってきます。このため、別居期間を真剣に考えないといけないのは、相手方が現時点では同意しない、ということを前提に検討していく必要があります。
まず、民法上の条文をみてみましょう!
(裁判上の離婚)
第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
相手方が明らかに問題となる行為を行なっている場合、例えばDVや不貞等がある場合はともかく、ない場合に別居期間をどのくらいいるのか検討を要します。
民法770条1項5号に該当するためには別居期間だけでなくもはややり直すことができるのか、婚姻期間やそれ以外の事情を見ていきます。
民法改正案では5年という数字もありますが、下級審では3年程度でもありますし、それ以下の場合もあります。色々と交渉の仕方によってはさらに有利に展開できることもあります。
お困りの方は一度かがりび綜合法律事務所にご相談ください。別居期間のことは直接面談されて戦略を練られることをおすすめいたします!
ケースにもよりますが、ある裁判例では、
「夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んだかどうかをも翻的すべきものであるが、その趣旨は、別居後の時の経過とともに、当事者双方についての諸事情が変容し、これらのもつ社会的意味ないし社会的評価も変化することを免れないことから、右離婚請求が信義誠実の原則に照らして許されるものであるかどうかを判断するに当たっては、時の経過がこれらの諸事情に与える影響も考慮すべきである……。したがって、別居期間が相当の長期間に及んだかどうかを判断するに当たっては、別居期間と両当事者の年齢及び同居期間とを数量的に対比するのみでは足りず、右の点をも考慮に入れるべきものであると解するのが相当である。」
と述べています。この裁判例では、別居期間が8年が相当であると述べられましたが、どの期間であれば相当の長期間になるかは述べられていません。
ただ、ポイントとしては、本判決は、「相当の長期間」と判断するに当たって、別居期間中に有責配偶者が相手方配偶者へ経済的補償を申し出るなど真撃な対応をしているかどうか、相手方配偶者はどのような反応を示しているかを検討して、時間の経過の中で当事者の事情が変容しているのであれば、その点を十分審理し尽くすべきであると判断しています。
この判断枠組みは非常に大切だと思います。すなわち、裁判所的な考え方としては、有責の程度に応じて、離婚するのであればそれなりの責任を果たすべきであると考えています。
判例解説においても、有責配偶者の婚姻継続への意思及び相手方に対する感情、離婚を認めた場合における相手方配偶者の精神的・社会的・経済的な事情を斟酌しているかが重要である旨を述べているものもあります。
本裁判例では、有責配偶者側の事情とそれに対する配慮、補償とのバランスを見ていることになります。相当の期間は婚姻関係の破綻の裏付けるものとしての調和として考えているものでしょう。
実務においては、別居期間がこれ以上短いものもあったりしますが、ますます交渉、協議の枠組みが重要になってくるものだと思います。
基本的にこちらが有利な状況です。
別居中であっても、経済的な条件として有利になりえます。
判例解説にもありますが、本時間の経過以外の考慮事項として、有責配偶者が社会的に見て相当な対応をしているかどうか(有責配偶者側の事情)、それに対する相手方配偶者の対応に合理性があるかが相関的に評価されます。
そして、有責性が低くなっているかどうか、破綻の度合いが深化している可能性を考慮して「相当の長期間」の別居は判断されますが、相手方はなかなか離婚ができない状況ですから、そのなかで離婚を求めてきている場合には、こちらが交渉有利になりえます。
この場合でも気になる方は一度ご相談ください。宜しくお願いします。
婚姻費用は別居中でも夫婦である以上は請求することができます。
但し、当事者が別居状態にあるときは、その別居の原因が「生活費を請求する側の責に帰すべき場合」にのみ、その別居事由を婚姻費用の分担決定にあたり考慮されることがごく例外的だと思いますのでご安心ください。
解決事例
事例①
- 依頼主 40代 女性
依頼者からの相談内容
依頼者様は夫からのモラルハラスメントが結婚してから10年間も続いており、ついに夫のモラハラに耐え兼ね、別居を考えていましたが、生活費の懸念もあること、夫からのモラハラ経験により、別居することにより怒鳴られたりきつくあたられたりするのではないかと悩み、なかなか別居まで踏み出せずに弁護士に相談がありました。
結果
ご相談を通じて、弁護士と別居のタイミングを伺い、別居するまでに資産の把握や身辺整理、婚姻費用(生活費)の調停申立の準備等を戦略的に行いました。
そして、弁護士に継続的な相談をしながら別居のタイミングを伺っていました。
別居後に婚姻費用の申し立てで生活費を確保して離婚成立しました。
弁護士からのコメント
モラルハラスメントをされている場合にはなかなか別居に踏み切ること自体が難しいことが多いです。
モラハラを行う相手は、相手を精神的・経済的に支配下に置いたりコントロールしたがる場合が多くあり、別居自体からの相談が多くあります。
弁護士が介入することにより、窓口は全て弁護士になりますので、支配下から脱出は可能です。また、今回のように、婚姻費用の請求を行い、生活費を確保しながら、相手に離婚を迫ることが可能です。
この依頼者様も無事に最後まで対応して離婚成立ができました。
悩んでいるところからのサポートもしておりますので一度ご相談ください!
事例② 別居段階からご相談・戦略的に調停離婚(財産分与・年金分割)で円満解決した事案
- 財産分与
- 別居
- 離婚請求
- モラハラ
弁護士からのコメント
離婚のお話を聞いていますと、離婚したいが別居することの一歩が踏み出せないという方がたくさんいらっしゃいます。
確かに別居するというのは不動産物件を探してその物件への引っ越し、相手方への連絡、または何か嫌がらせされるのではないかとかいろんな不安が出てきます。
離婚調停から弁護士を入れるというのでは、なかなか一人この一歩を踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。
かがりび綜合法律事務所では、別居の段階からご相談を聞いてサポートすることもできます。一度ご相談してみて一歩を踏み出せるように頑張っていただければと思います。
事例③
- 依頼主 40代 女性
依頼者からの相談内容
依頼者様は妻側です。
依頼者様は、日ごろより夫のモラハラ、亭主関白的な部分で悩んでいました。子供を産んでからもずっと我慢する日々でしたが、子供がある程度成長したので離婚する決断をしました。
ところが、決断までは良かったのですが離婚等すると言いだすと、いろんな暴言を言われるのでなかなか前に進みませんでした。
このため、どうすればいいのか、ずっとこのままの状態になってしまうのか、悩んでいたところ、かがりび綜合法律事務所を見つけていただき一度ご相談を聞くことにしました。
結果
どうやらお話を聞きますと、要するに離婚の決断はできているが、別居のお話をされると暴言がひどくなる等のことでした。
このため、ご依頼を頂き、別居のタイミングを決めて、それまでに離婚への用意周到を行い、別居するタイミングで弁護士から通知を入れて、離婚調停、生活費の請求を同時に行うという方法をしました。
このため、別居からの定期的に打ち合わせを行い、いざというところで弁護士から通知をいれて、ご相談様は離婚調停が成立するまで相手方と顔をなるべくあわさない形で離婚することができました。
事例④
依頼者からの相談内容
依頼者様は、パートナーさんが度々精神的にも異常な言動をするようになってきたため、2年程度別居していましたが、なかなかその癖は治らず、依頼者様自身がしんどくなってきました。
このため、ネットの口コミを見て、かがりび綜合法律事務所に相談しました。
結果
離婚調停を起こしましたが、相手方は裁判所に来ることすらせず、調停は不成立に終わり、離婚裁判が起こすことにしました。
離婚裁判では、民法770条1項5号では離婚事由の一つとして「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という要件があります。
離婚が破綻している証拠をそろえて毅然と主張し無事に勝訴判決が得られ、離婚が認められました!
感謝の声
どうしていいか分からず、不安でいっぱいでしたが、親身になってお話しを聞いて下さり、迷っていたり悩んでいたら、的確なアドバイスと分かりやすい説明で答えを導いてくだり、本当に頼りになる優秀な先生だと感じました。
私の思いを敏感に汲み取って下さり、調停の時も頼もしく想像以上の結果を出して下さいました。
本当に私の味方になって力強く代弁して頂き助かりました。安心感しかありません。本当に依頼して良かったと思います。
私と娘を助けて頂きありがとうございました。
長年の酒癖の悪さによるモラハラ、DV紛いの行動に身の危険を感じまともな話し合いが出来ず、離婚するにあたって請求出来る全てのご相談をお願いしました。
【相談分野】
離婚・男女問題、財産分与、別居、婚姻費用、離婚請求、性格の不一致、DV・暴力、モラハラ、飲酒