【それは離婚理由になる!】「悪意の遺棄」とは?

【それは離婚理由になる!】「悪意の遺棄」とは?該当する行為と慰謝料相場を弁護士が解説
皆さん、こんにちは。弁護士の野条健人です。

今回は、離婚を考える上で重要なキーワードの一つである「悪意の遺棄」について詳しく解説していきます。「うちの配偶者のあの行為は、もしかして悪意の遺棄にあたるの?」と感じている方は、ぜひこの記事を読んで、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

法律が定める夫婦の義務を放棄する「悪意の遺棄」とは
「悪意の遺棄」とは、法律上の夫婦が互いに負っている同居・協力・扶助という3つの義務を、正当な理由なく放棄する行為を指します。これは、民法が定める離婚が認められるべき法定離婚事由の一つに該当します。つまり、配偶者の行為が悪意の遺棄にあたると証明できれば、あなたは離婚を請求することができ、場合によっては慰謝料を請求することも可能です。

では、具体的にどのような行為が悪意の遺棄に該当するのでしょうか?

これらは「悪意の遺棄」に該当しうる具体的な行為
以下のような行為は、正当な理由がない限り、「悪意の遺棄」と判断される可能性があります。

一方的な別居: あなたの同意を得ずに、配偶者が一方的に家を出て行き、同居を拒否している場合。
家事・育児の放棄: 配偶者が、正当な理由なく、家事や育児に全く協力しない場合。
生活費の不分担: 配偶者が働く能力があるにもかかわらず、生活費を負担せず、自分のお金は自分のためだけに使い込んでいる場合。
就労拒否: 仕事ができる状態であるにもかかわらず、正当な理由なく全く働こうとしない場合。
不当な追い出し: 配偶者から一方的に自宅を追い出され、住む場所を失った場合。
看護義務の怠慢: あなたが病気や怪我で看護を必要としているにもかかわらず、配偶者が全く看護をしない場合。
これらの行為は、夫婦としての基本的な協力義務を著しく怠るものであり、婚姻関係を破綻させる要因となります。

悪意の遺棄による離婚で請求できる慰謝料の相場
もし、配偶者の悪意の遺棄が認められ、離婚が成立した場合、精神的な苦痛に対する慰謝料を請求することができます。その相場は一般的に50万円~300万円程度と言われています。

しかし、この金額はあくまで目安であり、実際の慰謝料額は、個々のケースの様々な状況によって大きく変動します。慰謝料の金額を左右する主な要素としては、以下のものが挙げられます。

相手の行為の悪質性: 遺棄の態様が悪質であるほど、慰謝料は高くなる傾向があります。例えば、単に別居するだけでなく、生活費を全く渡さない、連絡も途絶えさせるなどの行為が伴う場合は、悪質性が高いと判断されるでしょう。
悪意の遺棄が行われてきた期間: 遺棄行為が長期間にわたるほど、精神的な苦痛は大きくなると考えられ、慰謝料も高くなる可能性があります。
精神的苦痛の程度: 悪意の遺棄によってあなたがどれほどの精神的苦痛を受けたかが考慮されます。心療内科への通院歴や診断書などが、苦痛の程度を裏付ける証拠となることがあります。
婚姻期間の長さ: 一般的に、婚姻期間が長いほど、離婚による精神的苦痛は大きいとされ、慰謝料も高くなる傾向があります。
未成年の子どもの有無: 未成年の子どもがいる場合、離婚による影響は大きく、慰謝料の算定に影響を与える可能性があります。
お互いの収入: 慰謝料を支払う側の経済力も考慮されることがあります。
このように、慰謝料の金額は様々な要素が複雑に絡み合って決定されるため、一概に相場通りになるとは限りません。ご自身のケースにおける慰謝料の具体的な見込み額を知りたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

悪意の遺棄で離婚を考えているあなたへ
もし、配偶者の行為が「悪意の遺棄」に該当する可能性があると感じているなら、一人で悩まずに、まずは弁護士にご相談ください。

弁護士は、あなたの状況を詳しくお伺いし、悪意の遺棄に該当するかどうかを法的な観点から判断します。また、離婚手続きを進める上でのアドバイスや、慰謝料請求に関するサポート、相手との交渉などをあなたの代理として行うことができます。

悪意の遺棄は、立証が難しいケースもあります。弁護士の専門的な知識と経験があれば、有利に離婚を進め、正当な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。

どうか、一人で抱え込まず、私たち弁護士にご相談ください。あなたの未来のために、全力でサポートさせていただきます。
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野条 健人 代表弁護士
大阪を拠点に、男女問題・離婚・DV・モラハラなど、デリケートな問題を抱える方々の相談に親身に対応しています。ただ法律的な解決を目指すだけでなく、依頼者様の気持ちに寄り添い、心の負担を少しでも軽くすることを大切にしています。 「相談してよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりのお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案します。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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